【一人旅記録】2023年2月、流氷と白銀の道東

旅記録
あの日、地平線まで滑降する銀のジャンプ台に立っていた。

 旅立ちの10日前くらい、「飛び石連休どこかに行きたいな~~~」となんとなく考えながらtwitterを見ていた時に流れてきた流氷の画像に心奪われ、急遽北海道旅行を決めました。そういえば前からずっと流氷を見てみたかったし、雪景色も見たいし、フェリーにも乗りたい……なら全て叶えてしまおう!と、これができるのは一人旅ならではですね。

2/22 深夜―2/23 商船三井フェリー 大洗―苫小牧

 祝日前の水曜日、頑張って定時に職場を抜け出し常磐特急に飛び乗りました。茨城・大洗から北海道・苫小牧を結ぶ商船三井フェリーは19:45発の夕方便と25:45発の深夜便の二便体制です。夕方便なら翌日13:30には北海道に着けるのでとっても便利ですが、私の居住地からだと定時退社ではギリギリ間に合わないので悲しい。

大洗鹿島線の車内で

 フェリーターミナルまでは水戸駅からバスがありますが、時間もあるのでバス代をケチって大洗駅から徒歩で向かいます。徒歩20分くらいなので大変ということはない距離ですが、遠くから暴走族っぽい爆音バイクの音が聞こえており緊張感があったり。途中にコンビニもあるので、船旅に備えた買い出しも出来ます。徒歩乗船に優しい。

乗船するさんふらわあ しれとこ

 乗船中は推しの写真を撮ったりフェリーのすれ違いを眺めたり寝たりなどしているとなんだかんだあっという間に過ぎ去り、日が落ちたと思えば小雪舞う北海道でした。さて、降り立ったはいいものの、この日は苫小牧駅行きのバスが運休していたので、タクシー以外に交通手段がありません。大洗までのバス代をケチった私でもさすがにタクシー代を払うしかないのか……?
 ……いや、そんなわけにはいかない!(貧乏性) ということで、苫小牧駅まで4km、1時間歩きます。ちなみに靴はさんざん履きならしたただのスリッポンです。苫小牧は日中暖かかったようで、雪解け水が表面だけまた凍ってうっすら雪が積もった水たまりができており、そんなことは露知らず雪だと思って踏み抜いた私の靴を容赦なく水没させてきます。完全に凍った水たまりもそれはそれでツルッツルで、鬼ほど滑ります。ここ最近の旅行で一番つらかったかもしれない。明日のために札幌駅まで移動しなければならないのですが、もう道中にあった苫小牧のネカフェに泊ってやろうかと思ったりしましたが、なんだかんだ歩いていると到着するものです。

 あとは札幌駅まで移動し、すすきのまで地下通路を歩き、ネットカフェで一泊。

2/24 札幌―北見―阿寒湖温泉

 札幌駅 6:50 発の特急オホーツク1号に乗り込み道東へ向かいます。自由席は1両しかないのですが、札幌発車時点では満席で立ち客も数名見うけられました。特急で網走方面へ向かうとなると、オホーツク1号に乗れば昼には到着できますが、これを逃すと旭川を昼に出る特急大雪1号で16時半の到着ですから混雑の理由も分かります。というかしれっと乗車時間が5時間なのがとても北海道。

北見駅前、栄えています。オホーツク総合振興局の支庁が網走にあるので網走がこの辺りの中心地だと思っていたのですが、北見市って網走市の3倍くらい人口あるんですね。北見駅から徒歩でカースタレンタカー北見店さんへ移動。最近よくあるガソリンスタンドがやってるレンタカー屋ですね。同じ特急で来たと思われるグループが3組くらいおり、そこそこ順番待ちでやきもきしたり。少ない人数で回すのも安さの秘訣な訳で仕方ないのですけどね。

能取岬

岬の手前までやってきました。流氷!結構溶けてる!もう2月も終わりですもんね…。とはいえ海の上に数メートルサイズの氷が浮かんでいるのはなんだか不思議な感じがします。流氷の上にはおそらくクリオネか何かを探す親子もいました。クリオネ探しはかなり魅力だったのですが、手持ちの装備が貧弱で海に落ちたら死ぬのでやめておきました。またいつか。

おそらく流氷探しに興じる親子連れ

黒と白のツートンがビビッドで素敵な灯台の方に移動してきました。雪景色に映えるというか。雪のない時期は岬の周りは牧場になっているようで、空が広くて気持ちいい場所でした。5分ちょっと歩いたところにあるオホーツクの塔というモニュメントがあるのですが、海の向こうに見える斜里岳がかっこよすぎる。

斜里

ので、見に来ました。よくみたらさっきのと山の形違わないか?でも綺麗なのでOKです。能取岬から海沿いを国道244号で東進し、斜里町までやってきました。目的は記事冒頭にお見せした”いっぽんの道”と呼ばれる、地平線まで続く一直線の道路です。いっぽんの道に向け、国道をはずれまっすぐ南に向かっていくと前方に斜里岳が迎えてくれます。ロケーションがちょっと良すぎるな…。

 清里町駅のあたりを越えてさらに南下するとだんだんと上り坂になってきました。進むごとにだんだん斜度は高まっていき、期待も高まってきます(あとスタックせずに登り切れるかという不安も高まってきます)。スタッドレスタイヤの進歩のおかげで無事登りきれたわけですが。いっぽんの道の頂上までは除雪されていますが、行き止まりから続く道は完全に雪に埋もれていました。足跡あるってことは誰か通ったのかな。

阿寒湖温泉

時間は飛んで夜。本日の宿泊地である阿寒湖温泉までやってきました。泊まったのは国道沿いにある両国総本店さん。こういった温泉街には珍しく一人用の部屋があり、一人旅にうってつけです。そして鹿肉にわかさぎの天ぷらが食べられます。天国?楽園はここにあったんだ。

いいんですか?
いいんですか??
いいんですか???!!!

いま確認したらこれで一泊夕食付7000円でした。お得過ぎない????しかもお風呂は大浴場ではないものの時間制の貸し切りで源泉かけ流し…。すごい。
 お風呂にも入ってさっぱりしたので、夜の散歩に出かけました。気温は-9℃らしいですが、湿度のせいかそんなに寒く感じないのが不思議です。そして結構人が出歩いておりびっくり。阿寒湖温泉、正直なところ今まで知らなかったのですが、北海道では結構メジャーな観光地なんでしょうか。人だかりがあると思ったら、何かのイベント中で、なにやら湖の上で花火をやるそうなので見学しました。

一面の雪原に見えますが全員湖の上にいます。

花火も終わり温泉街を歩いていると、いかにも観光地然としたお土産屋さんの姿がありました。そういえば、旅行と言えばあんまりメジャーじゃないところばかり巡る変な旅ばかりしているので、こうしたお土産屋さんを見るのも久しぶりです。ましてやこうして賑わいを見せている姿も、2019年ぶりかもしれません。3年の月日で失われてしまったものは多いけれど、それでも日常はまたこうしてゆっくりと歩み出していました。

2/25 阿寒湖温泉ー北見ー苫小牧西港

早朝。チェックアウトして帰路につきます。昼までに北見駅に戻らなければフェリーに置いて行かれるので。そして地味に道がつるつるで怖いです。幸い早朝で車もあんまりいないのでノロノロ進みます。

美幌峠

初めて北海道に来た時に立ち寄った思い出の場所なので立ち寄ってみたのですが…

吹雪すぎてウケる。半分遭難だわ。当たり前なんですが夏と冬で景色が違いすぎる。それでも粘っていると雲の切れ間に屈斜路湖を見ることができました。この景色は何回見ても感動です。

そのあとは特別快速と特急を乗り継ぎ、なぜか時刻計算をミスっており苫小牧でバスに乗れずタクシーを拾い、苫小牧西港からさんふらわあさっぽろに乗り込みました。強行軍でしたが白銀の北海道の美しさを存分に楽しめた3日間でした。

またね北海道

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